雑誌『CanCam』(小学館)の看板モデルとして活躍した後、女優に転向してからも老若男女を問わず多くのファンを魅了してやまない長谷川京子さん。河瀬直美監督作品「七夜待」に主演し、そのPRイベントのために奈良・法華寺を訪れた長谷川さんは、落ち着いた古寺の中にあっても、一際美しく輝いていた。

 

 今回の出演のお話をお引き受けした理由の一つとして、見たことのない自分が見たかった≠ニいうことがあります

 基本的には毎日楽しくて、自分の中で想像できないようなことの連続で、それが恐くもあったのですが、何が起こるかわからない、どんな自分が出てくるか分からないという部分を敢えて楽しむようにしました。

 今までもそうですし、これからも台本がある中でのお芝居というものが普通だと思うんですが、今回は台本がなかったので、自分の中で理解して演じるのではなく、理解しないまま演じた時の、結果じゃなくて結果に行くまでの過程が大事なんだということがすごく勉強になりました。

 現場を進めていけば進めていくほど、お話として本当にこれで成立するのかな…と少し心配になったり、分かりやすい感情の機微が表現できないことが不安につながったりもしたんですけど、不安も全て楽しみに変えてやらせていただいていました。その不安の先に何かあるんじゃないかなと。そこにある自分の表情が見たかったわけですし。

 台本がある場合は、一つのシーンから次のシーンまでの感情がおざなりになってしまったりします。例えば、台本に「涙を流す」と書いてあれば、やっぱり泣くことに集中しますよね。でも、観ている人が本当に感動するのは、涙を流すことじゃなくて、涙を流す前のその人のちょっとしたまゆ毛の動きやしかめた顔であって、結果じゃないんですよね。その間のことが一番大事じゃないかと。だから今回は自分の感情の変化をきちんと大事にしたいなと思いました。

 役と自分との距離感ですか…私は役を自分自身に近づけるタイプではないので、毎回違う自分になりたいという願望があるし、自分を前に出すお芝居が出来ないタイプでもあるので…。でも、今回は7割くらいは自分が出たかな。



 20代はすごくおしゃれに興味が出てくるし、自分が持っているお金を美容やファッションに全部かけても、どうにかしてきれいになりたいと頑張るんですね。でも、30代になるとそれが通用しなくなるんですよ。20代はやっぱり若さということで許される部分がすごくあるんだけど、30代になるとそうもいかなくなってくるんですね。仕事や結婚についてなど、女性の多くがぶつかるであろう漠然とした不安感に悩む時期とぶつかって…。

 20代に時間もお金もかけて身につけ足してきたものを、30代は一つひとつそぎ落としていく作業をする年代なんですね。本当の女性の美しさに行き着くスタート地点に立っている気がしていて。

 まさに20代の終わりに今回の撮影でタイに行きましたが、居場所を変えてみることは良いことだなと思いました。忙しい環境から離れ、思い切って歩みを止めてみるのも良い経験です。置いて行かれるんじゃないかと不安になりがちですが、本当は大丈夫なんですよね。



 私には、健康のためにこれをしている…というような決め事が何にもなくて。基本的にずっと続けていることがなんにもないんです。太るわけにはいかないとあまり思っていないし。もともとそんなに量を食べる方じゃないんですが、自分が満足する分は食べていますし…。

 ただ、やっぱり毎日自分の身体は見ますね。タイトなジーンズを履いて、入りにくくなった箇所で太った部分がすごく分かりやすくなったりすると、ちょっと食べるのを控えよう、少しは気にしようと思いますね。

 身体のあらゆる部分をきちんと触り、手をかけてあげるとか…。自分の身体を慈しむことが大切ですね。

profile
1999年、女性ファッション雑誌『CanCam』(小学館)の専属モデルとなり、本格的にモデル活動を開始。同年、格闘技の番組『SRS』(フジテレビ)の3代目司会者としてテレビデビュー。2000年には『らぶ・ちゃっと』(フジテレビ)で女優デビューを果たし、2001年放送の『夏休みのサンタさん』(日本テレビ)、『スタアの恋』(フジテレビ)への出演を皮切りに本格的に女優活動を開始する。他に『僕だけのマドンナ』(2003年・フジテレビ)、『おいしいプロポーズ』(2006年・TBS)など多数。カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した河瀬直美監督の最新作『七夜待』(2008年)の主役を演じる。TBS『スキャンダル』(日曜21時〜放映)に出演中。

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